『赤を見る:感覚の進化と意識の存在理由』
(著)ニコラス・ハンフリー
(訳)柴田裕之
「意識」って何?この問題にひとつの答えを与えてくれるのが、このニコラス・ハンフリーの『赤を見る:感覚の進化と意識の存在理由』です。
アメーバーから進化の過程で私たちはどうして意識を持つようになったのか。ハンフリーはこの進化論的な発想から意識の問題を解き明かそうとするのです。
そして、その際、彼が若い頃発見した「盲視」(blind visual)が手がかりとなっています。外界の情報を獲得するための知覚という経路と、自己意識を形成する感覚の区別が、盲視の研究を通して明らかにされていくのです。
ハンフリーの文章の特徴はその深い哲学的な教養がいたるところに垣間見れることです。知覚と感覚の区別は18世紀のスコットランドの哲学者トマス・リードが唱えたものですが、ハンフリーはそれをさらに改良した理論を提示していくのです。
本の装丁もこっていて、外から見ると絵本みたい。イラストも結構あって、読んでて楽しい本ですね。入門書としても、専門書としても楽しめる良書です。
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